『機関車トーマス -Thomas the Tank Engine-』アニメ制作者の子ども達への思い

【世界中で大人気!蒸気機関車のトーマスとその仲間たち】

日本でも子供たちに大人気の『機関車トーマス』(原題:”Thomas the Tank Engine”)は、蒸気機関車のトーマスとその車両の仲間たちや周りの人々が繰り広げるお話です。原作は、1940年代にイギリスのウィルバート・オードリー牧師が、息子のために話して聞かせたものを元にして、絵本にしたのが始まり。その後、1980年代にモデルアニメーション化され瞬く間に大人気番組に。今では、55もの言語で放送されていて世界中で愛されています。

今日は、そのアニメ化誕生の時に込められた、原作者とプロデューサーの思いをお話したいと思います。当時、幼児教育のテレビ番組というと「A, B, C…」や「1, 2, 3…」といったリテラシーや算数を中心とした番組作りがされていました。

そんな中、『機関車トーマス』のアニメ化にあたってプロデューサーは「子ども達は、読み書きだけではなく、他にも幼少期の内に学ぶべきことがあるはずだ」とし、感情の発達と他者・社会との関わりにフォーカスを置いたストーリーを作って番組にしようと決めました。そこで、「数を学ぶ」「色を学ぶ」という点は、「トーマスは青色で1番」という風にキャラクター作りのみにとどめ、友達と協力し合い友情を育むというストーリーを中心に制作をしたそうです。

イギリスの幼児教育指針EYFSでは、7つの学習発達領域を定めています。そしてそれらを効果的に学ぶためには、それぞれ独立して学習するのではなく、相互に関連させながら学んでいくべきとされています。まさに、機関車トーマスのアニメ化の際に製作者が意図したことです。ここまでこの作品が長く幅広い年齢の子供たちに人気で、教材としても使われている理由はそういったところにもあるのかもしれません。

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